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マテリアル インテグレーション 2010年8月号

マテリアル インテグレーション 2010年8月号

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特集 パルス通電場プロセシング --実用材料・デバイスへの応用(3)

緻密化挙動・組織および機能特性
■著者
元大阪大学接合科学研究所 巻野 勇喜雄

■要約
SPSを用いることにより様々な粉体材料を低温・迅速焼結できることが数多く報告され,このプロセスの革新性が粉体粒子の清浄化,緻密化の促進,粒成長の抑制などにあることが指摘されている.このようなSPSプロセス特有の効果は“パルス通電効果”あるいは“SPS効果”と呼ばれ,材料の特性付与や機能発現に重要な役割を果たすと考えられている.これまでに,様々な角度から眺めたSPS焼結プロセシングに関する解説・総説が報告されているので,本節の内容と異なるものを含めて節末に参考文献を列挙しておく.本節では,SPSプロセスにより作製された種々の焼結材料における材料特性・機能あるいは組織制御に関する研究成果を俯瞰して,パルス通電場による材料特性・機能・組織の創製について記述する.また,緻密化挙動や組織から眺めたSPSメカニズムについても併記する.


熱物性特性
■著者
島根県産業技術センター 熱制御システム開発プロジェクト 研究員 吉岡 尚志

■要約
最近ではカーボンナノチューブや炭素繊維等を使用した複合材料を作製して高熱伝導化を図る研究も行われている.これはカーボンナノチューブの理論熱伝導率が6000W/m/Kと非常に高いことに起因しているが,実際のカーボンナノチューブでは欠陥などが存在するため熱伝導率は理論値よりも大幅に低くなる.また,炭素繊維の熱伝導率も1000W/m/K近い値を示すなど放熱材料として優れているが,複合材料化が難しく,また高熱伝導の炭素繊維も高価であるという欠点が存在する.本稿では,これらの放熱部材のうち焼結プロセスで作製されるセラミックス材料のパルス通電焼結について述べる.


微細構造解析
■著者
いわき明星大学 科学技術学部 システムデザイン工学科 安野 拓也

■要約
本稿では,透過型電子顕微鏡を用いた微細構造解析を行う際に問題となる焼結体からの薄膜試料作製について,最新の微細加工技術であるFIB法について解説する.さらに,パルス通電法の焼結挙動や焼結メカニズムに着目し,金属粉末及びセラミックス粉末を用いて種々の焼結条件において作製した焼結体について,電子顕微鏡による微細構造解析を行い,パルス通電焼結法の焼結時に発生する特有の現象について概説する.


MEMSおよびマイクロ部品への応用
■著者
京都大学大学院工学研究科マイクロエンジニアリング専攻 科学技術振興講師 宮野 公樹

■要約
著者らは高アスペクト比の金属製構造体を作製できるLIGAプロセスに着目し,LIGAプロセスよる微細構造体を金型として活用し粉末焼結を行う手法を開発した.具体的には,MEMS分野における材料選択の幅を広げることを目的とし,LIGAプロセスによるニッケル微細構造体を金型とした放電プラズマ焼結 (Spark Plasma Sintering;SPS) による金属やセラミックの粉末の成形を試みた.SPSは,放電効果により粉末を焼結させるため低温短時間での焼結が可能であり,融点の低いニッケル微細構造体を金型とする場合に適している.本稿では,メカニカル・アロイング法 (MA) による金属間化合物の製造方法を示し,MAとSPSを組み合わせた例として,Ti-Ni-Cu形状記憶合金粉末を用いセンサやアクチュエータに適用されうるばね形状構造体の試作例と,Ti5Si3金属間化合物とTiCとの複合材を製作した例を紹介する.


電子・情報デバイス部材への応用
■著者
山口大学 大学院理工学研究科 教授 山本 節夫

■要約
本節では,SPSによって製造した材料のデバイス応用への具体例として,熱電変換素子への応用と,アイソレータ(非可逆伝送素子)への応用について紹介する.


放電プラズマ焼結法 (SPS) の生体材料作成への適用
■著者
東北大学大学院工学研究科 技術補佐員 大森 守

■要約
生体材料へSPSを適用する目的は,使用目的に対応できる十分な機械的性能をもつ材料の焼結にあるというのが一般的である.生体適合性を考えると,生体材料としての使える材料の選択の幅は非常に限られたものなる.本稿では,金属系生体材料へのSPSの適用,金属--セラミックス系複合材料へのSPSの適用,ハイドロキシアパタイト焼結へのSPSの適用,ハイドロキシアパタイト複合材料へのSPSの適用,傾斜機能生体材料へのSPSの適用について述べる.


接合・燃焼合成への応用
■著者
新潟大学 大学院自然科学研究科 材料生産システム専攻 教授 大橋 修

■要約
本項では,接合におよぼす接合条件因子の影響,パルス通電電流値の接合部への影響,パルス通電波形の接合部への影響,パルス通電接合機構,通電接合部の改善策,通電接合部の特徴,燃焼合成,の観点に着目して,パルス通電接合法と燃焼合成について概説する.


随論
翡翠とダイヤモンド
■著者
元 東芝総研・千葉工業大学 工学博士(東京工業大学) 岸井 貫

■要約
中国で貴重なものとされる「玉器(ギョクキ)」の制作に,ダイヤモンドが必須である,との意見がある.堅くて滑らかな「玉(ギョク.軟玉の翡翠)」の原石表面に傷をつけて,研削・研磨加工を始める手掛かりにする,という手順を要するからである.「玉」の産地でダイヤモンド粒も入手しうるか ? を文献資料により検討した.翡翠・玉の産地でダイヤモンドの小粒も採取し得た,と思われる2例を記す.


アユタヤの遺跡とラチャブリのレンガ工場
■著者
チュラロンコン大学 和田 重孝

■要約
籾殻を燃料にするレンガ製造技術調査の旅を続けている.といっても,そのために旅行するほどの資金がないので,他の用事にかこつけて行った先で調べるとか,なんとかお小遣いを工面して行った先から足を伸ばして情報を集めている.今回はタイの国家研究所で開催したセミナーの講師を務めた関係でアユタヤ観光の機会を得た.アユタヤにはこれまで2回行っている.しかし,今回は過去2回には全く気がつかなかったとても有意義な観光になった.ラチャブリはバンコクの西100kmくらいのところにある町である.これまで,バンコクの北120-130kmのシンブリ,ロッブリ (タイ便り39と40) とバンコクの東500kmのウボン・ラチャタニ (タイ便り42) へ行ったので,今度は西というわけだ.


連載
セラミックス産業と科学・技術の発展に尽力した偉人,怪人,異能,努力の人々(38-2)明治,大正時代の日本の製鉄,製鋼用耐火物の会社,特に八幡製鐵所とその炉材工場の活躍,研究所の発展,第2次世界大戦後の八幡製鐵,新日本製鐵,八幡製鐵所の耐火物やスラグの利用発展の
■著者
宗宮 重行


連載
至福の豆ごはん
■著者
(独)物質・材料研究機構 光材料センター 轟 眞市
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