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マテリアル インテグレーション 2005年10月号
マテリアル インテグレーション 2005年10月号
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月刊 マテリアル インテグレーション
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マテリアル インテグレーション 2005年10月号
特集 ベクトル材料化学(その1)
特集にあたって
東京医科歯科大学生体材料工学研究所 山下 仁大
大阪府立大学大学院工学研究科 マテリアル工学専攻 中平 敦
巻頭言を読む
高速CVDコーティングにおけるレーザーのベクトル効果
■著者
東北大学金属材料研究所 教授 後藤 孝
■要約
ベクトル材料とは,バイオセラミックスにおいて,材料の側から生体組織への働きかけを利用した材料設計に対して提唱された考えであるが,それを広義に解釈すると,ある特異な方向性を持った材料と外界との相互作用を利用した材料設計と言えるかもしれない.このような例として,本稿では,筆者らが最近研究しているレーザーを援用したCVDによる酸化物膜の超高速合成および結晶配向によるナノ構造制御について紹介する.
ポーリングによる無機ガラスへの新機能付与
■著者
京都大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 教授 田中 勝久
■要約
本稿では,ガラスの2次非線形光学効果を中心に,特に熱ポーリングによってもたらされる無機ガラスの新しい機能について紹介する.
リチウムイオン二次電池用バインダーフリー電極の\\製造プロセスへの泳動電着法の適用
■著者
東京理科大学 理工学部 工業化学科 助手 宇井 幸一 他
■要約
電気泳動とは,分散媒中にコロイドや粒子が分散・懸濁された状態にあるとき,その溶媒中に2本の電極を差し込み,両極間に電圧を印加すると,帯電した粒子が電位勾配によって,粒子の帯電と反対の電位を有する電極へ向って移動する現象である.泳動電着法とは,この電気泳動現象を利用したコーティング方法である.泳動電着法の短所は,基板が電子伝導性を有する必要のあること,電着中に基板近傍から気体の発生が起こることがあり,成膜を妨げる場合があること,堆積した膜の強度に課題が残ることなどが挙げられる.よって,これらの短所を克服するような工夫が必要である.
ヒドロキノンを用いたマクロな気孔の無い電気泳動堆積
■著者
岐阜大学工学部 櫻田 修
■要約
著者らは,EPDプロセスでこのHQの酸化還元反応を利用してマクロな気孔のない堆積体を得ることができた.本稿では,酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムの塩基性懸濁液にHQを添加し,陽極上にマクロな気孔のない堆積体を得ることができること,ならびにそれらを交互に堆積した多積層体および傾斜材料の作製について述べる.
骨伝導を支配する血液成分に対して選択的に作用するエレクトロベクトルセラミックス
■著者
東京医科歯科大学生体材料工学研究所 中村 美穂 他
■要約
分極HAは表面電荷の極性によって骨新生の様態に影響を与え,未処理のHAに比べて高い骨伝導性を持つことが明らかにされた.分極による高骨伝導性を引き起こす機構は明らかにされていないが,エレクトロベクトル効果が引き起こす現象から制御因子の探求が進められている.
熱ベクトル材料としてのマイクロ波活性セラミックス
■著者
岡山大学 大学院環境学研究科 助教授 松田 元秀
■要約
マイクロ波活性セラミックスの自己発熱には,自己焼結による自己の微構造制御や接触物質との接合のみならず,周辺環境物質の構造的並びに物性的改質などへの寄与も期待でき,マイクロ波活性セラミックスを用いることによって新しいセラミックプロセッシングへの展開が期待される.ここでは,熱ベクトル材料としてその利用が期待されるマイクロ波活性セラミックスに関して述べるとともに,自己発熱機構とマイクロ波活性が異なる物質の自己焼成プロセッシングを紹介する.
磁場利用による骨再生技術の実用化に向けた新たなコラーゲン配向手法の可能性
■著者
東京電機大学先端工学研究所 齋藤 大輔 他
■要約
筆者らは,磁場を利用することで生体外で生体骨に酷似した構造と強度をもつ骨補填材の作成を目指し,その手法を実用化するためにどの程度の磁場強度が必要であるのかを検討した.具体的には,超伝導磁石を用いて2.5T,3.0Tおよびこれまで先行研究により検討されてきた8.0Tの強磁場曝露した群と磁場曝露していない群との細胞の形態観察を行い,どの程度の磁場強度でコラーゲンが配向するかを検討した.さらに,より効率の良いコラーゲン配向手法を提案したので概説する.
層間を利用したハイブリッドベクトル材料と磁気ベクトル応用
■著者
大阪府立大学大学院工学研究科 マテリアル工学専攻 中平 敦
■要約
本稿ではバイオ応用および環境応用に大別して,著者等が進めてきた層間を利用したハイブリッドベクトル材料(これを以下では層状空間型ハイブリッドベクトル材料と呼ぶ)の合成と磁気ベクトル応用例を紹介する.
連載
タイ便り(その33)日本セラミックス協会
■著者
Chulalongkorn Univ. Faculty of Science 教授 和田 重孝
■要約
先日、セラミックス誌に目を通しながら,ふと思った.“あれっ、俺は会費を払っていたっけかな?”そして,かすかな記憶の中から想いだしたのは,“そうか,会費は自動引き落としだったのだ”.もし,毎年郵便局や銀行に払い込みに行かねばならないシステムだったら、定年とともに協会を退会していたかもしれない.それを思うと,会費の自動引き落としのシステムを導入した人はなかなかえらい.
連載
近代日本のセラミックス産業と科学・技術の発展に尽力した偉人,怪人,異能,努力の人々(23)1926年から高温高圧下のアルミニウム鉱石の研究をし,ハイドロサーマル反応とコロイド化学との研究を一生涯され,日本語論文の英文抄録の制度を確立し,合理的思考の人で,建前と本音とが一致した,率直に発言した自由人であり,人脈を作る才能があり,人間的魅力に満ちた桂井富之助博士
■著者
宗宮 重行