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マテリアル インテグレーション 2003年11月号

マテリアル インテグレーション 2003年11月号

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マテリアル インテグレーション 2003年11月号
特集 表面及び界面構造制御による機能性材料の創製

ファインセラミックスの熱衝撃性評価
■著者
(財)ファインセラミックスセンター 材料技術研究所 生体材料プロジェクト室 室長 水野 峰男 他

■要約
日本,ドイツとアメリカの3 カ国はIEA(国際エネルギー機関)Annex II の「自動車エンジン用高温材料研究開発実施協定」に基づき,「先進的エンジン及び省エネルギー用途用セラミックス」に関する国際共同研究を実施している.この中で,急熱法による窒化ケイ素の熱衝撃試験(サブタスク9)を行った.本稿では,この国際共同研究のなかで,ファインセラミックスセンター(JFCC) が行ったレーザー急加熱方式による熱衝撃評価についての日本の成果を紹介する.この方法は円板の中心部分を急加熱し試験片を破壊させるものであり,Riney の解析を用いて破壊時の条件から耐熱衝撃性をあらわすパラメータR2 が測定できると同時に,試験片破壊時の試験片温度分布より破壊応力自体を測定できるため,各種材料の定量的な熱衝撃特性比較が可能となる.


熱応力に注目した積層型ハイブリッド材料の開発
■著者
(株) 東芝 電力・産業システム技術開発センター 主幹 伊藤 義康 他

■要約
本稿では極限環境に耐えることを目的とした積層型ハイブリッド材料の開発について示す.積層型ハイブリッド材料は機能の異なる材料を積層して複合化することから,異種材料間の物性差に起因する熱応力の制御が材料創製のために重要なポイントとなる.この熱応力の制御により積層型ハイブリッド材料を創製することで,単一の材料で得られなかった複数の機能を有効に併せ持たせることが可能となる.


セラミック系複合材料の高温衝撃特性と破壊挙動
■著者
拓殖大学工学部機械システム工学科 教授 笠野 英秋

■要約
拓殖大学先端工学研究センターでは,文部省(現文部科学省)の“ 私立大学ハイテクリサーチセンター整備事業”の支援をうけて,平成10 年度から「セラミック系先端複合材料の超高温環境下における材料特性評価技術に関する研究」と題する5年間のプロジェクト研究を行い,平成14 年度末に研究を終了した.著者は,このプロジェクトにおいて,新しく開発された連続繊維強化セラミック複合材料をガスタービンエンジンの構造部品,とくにタービン翼へ適用する場合を想定して,その使用環境下における衝撃破壊現象の解明と衝撃特性を評価することを目的として研究を行った.本稿では,その最終成果報告書の中から,著者の研究成果の一部を紹介する.


セラミックス複合材料の変形・破壊特性
■著者
京都大学国際融合創造センター 創造部門 落合 庄治郎

■要約
セラミックスは金属やプラスチックにない特徴を数多く備えている.耐熱性が高く,軽量で,弾性率が高く,線膨張率が低い.高靱化・高強度化を複合化で実現できれば高温構造材料として種々の応用が期待されるので,セラミックス複合材料の破壊の研究は数多くなされている.本稿では,複合形態とこれまで行われてきた高靱化研究を概説した後,人工合成型複合材の破壊特性に及ぼす界面および残留応力の影響やinミsitu 型複合材の超高温における破壊特性について当研究室の2,3 の結果を紹介する.


ナノサイズ表面機能層の新製法と用途展開
■著者
宇部興産(株) 宇部研究所 機能材第一研究部 部長 石川 敏弘

■要約
筆者等は,高分子材料の劣化現象の一つとして捉えられていたブリードアウト現象(低分子量物が材料表面に押し出される自然現象)をセラミックスの前(グリーン体を含む)に適用して,ナノレベルの機能性表面傾斜層を有するセラミックスを合成する新しいプロセスの開発に成功した.本稿では,ナノレベルの傾斜表面構造を有する機能性セラミックスの新しい合成方法を説明し,その具現化例として優れた光触媒活性を示すチタニア焼結層を表面に有するセラミックス繊維や表面層がジルコニア焼結層で覆われた耐アルカリ性に優れた炭化ケイ素繊維等について紹介する.更に得られた傾斜機能セラミックスの用途展開についても詳説する.


酸化チタン光触媒のナノ構造制御と可視光化
■著者
(株)豊田中央研究所 シニアフェロー 第1特別研究室長 多賀 康訓

■要約
TiO2 光触媒の用途開発実用化が軌道にのり,研究開発の中心が実用レベルの可視光動作型の光触媒材料の開発に移った.この可視光動作型光触媒はTiO2 系光触媒の発見当初から切望され実験室レベルでの可能性報告はいくつか存在したが,実用レベルの報告は無かった.この永遠の課題にひとつの解を与える報告が2001 年Science 誌に掲載され国内・外の注目を集めた.時期を同じくして類似の可視光動作型光触媒に関する報告が行われ研究・開発を活性化させている.ここでは著者らが開発したTiミOミN 系可視光動作型光触媒開発の概要を紹介する.


連載
近代日本のセラミックス産業と科学・技術の発展に尽力した偉人,怪人,異能,努力の人々(7)江副孫右衛門,森村勇,松尾義人,星野茂雄,水野智彦,小川修次,小林朗などの日本特殊陶業社長,会長と宮田應禮(1)-日本碍子,日本特殊陶業,立川工作所の発展-
■著者
宗宮 重行


連載
第2次世界大戦後の日本のセラミックス科学の発達に,友好や親善に尽力した世界の大学教授(3)University of California BerkeleyのRichard M.(Dick)Fulrath教授
■著者
宗宮 重行
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