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マテリアル インテグレーション 2000年5月号

マテリアル インテグレーション 2000年5月号

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マテリアル インテグレーション 2000年5月号
特集 セラミックスのトライボロジー -その科学と応用-

「セラミックスのトライボロジーの基礎」
総論・トライボロジーから見たセラミックス
■著者
冨士ダイス(株) 津谷 裕子

■要約
トライボロジーという分野は,「接触しながら相対変位する表面およびその近傍に関する科学と技術」という定義であるから,さまざまなアプローチがある.材料の分野以上に,マクロな分野とミクロな分野があるということである.トライボロジー的観点からセラミックスを見るとき,まず,金属や高分子や潤滑油で微視的構造から材料科学的に調べられていることを理解し,それから,セラミックスがそれらの材料と違う点を考える.そして,マクロな部分であるトライボロジー的数値として,摩擦係数と摩耗率などがある.本稿では,摩耗を主としてセラミックスのトライボロジーを解説する.


「セラミックスのトライボロジーの基礎」
摩擦面での吸着と反応
■著者
岩手大学 工学部 応用化学科 森 誠之、工学研究科 物質工学専攻 叢 培紅、中国科学院 蘭州化学物理研究所 李 同生

■要約
境界潤滑条件下におけるトライボロジー特性は表面の状態に強く依存する.とくに化学状態には敏感である.一般に,セラミックスは化学的に安定と考えられているが,摩擦条件下では各種の化学反応が起こることが知られており,境界潤滑性に重大な影響を与えると思われる.ここでは,セラミックスのトライボロジーに関係する表面化学について,とくにトライボ化学反応を中心に筆者らの研究を解説する.


「セラミックスのトライボロジーの基礎」
セラミックスの摩擦面の変形と破壊
■著者
運輸省船舶技術研究所 材料加工部 機能評価研究室 千田 哲也

■要約
摩擦や摩耗の実験を行うと,データがばらついたり試験の再現性が悪いために苦労することが多い.その原因のひとつは,固体の表面の挙動が複雑でよく知られていないために,予期しない条件の変化が起きていることにある.本稿では,摩擦面で起きる力学的現象について,表面き裂の解析と代表的な摩耗モデルを紹介し,アルミナ摩擦面の微細構造観察等の結果を例に,摩擦面近傍で特徴的に見られる力学的挙動に関して解説する.


「セラミックスのトライボロジーの基礎」
砥粒加工とトライボロジー(セラミックスを上手に加工するために)
■著者
埼玉大学 大学院 理工学研究科 河西 俊雄

■要約
一般に,加工法は,材料の性質,加工物の形態,加工精度や加工品質,加工の経済性などが考慮されて使い分けられており,その多くは,(1)切り屑を生成する「除去加工」,(2)材料同士を付着させる「付加加工」,(3)材料の形状を変える「変形加工」,(4)材料の材質を変える「変質加工」の4方法に大分類できる.いずれの加工でも表面生成が行われるので,トライボロジーと深く関わりをもつ.ここでは,これらの砥粒加工を粗面研磨・研削と鏡面研磨・研削に分けてトライボロジーと関連する部分を述べる.


「セラミックスのトライボロジーの基礎」
材料屋から見たトライボロジー
■著者
(株)豊田中央研究所 材料1部 和田 重孝

■要約
本稿は,トライボロジーを学として専門に研究してきたわけではないが,トライボロジーと係わり合いのある分野に現在いる筆者が,これまでに実験などした際に感じたことを材料屋の立場から書いた.・格好の良い実験式にとらわれないで,・材料屋の強み,・摩耗しない摩耗試験,・HIPの効果とは何だろうか,・結晶粒径が支配する耐摩耗性,・優れた耐摩耗材料とは,について解説している.


「セラミックスを使いこなすために」
耐摩耗材料としてのセラミックス
■著者
東北大学 大学院 工学研究科 機械電子工学専攻 足立 幸志、 加藤 康司

■要約
優れた耐摩耗性を有するセラミックスの摺動部への導入は,従来削ることのできなかった材料の加工を可能にし,従来使用不可能であった環境・使用条件下での摺動を可能にする.さらに,次世代の新しい工業技術や工業分野の開拓をも可能にする.しかし,セラミックスの有する耐摩耗材料としての能力を十分に発揮させるための使い方の把握が,セラミックスを優れたトライボ材料として実用化するための成功の鍵を握る.


「セラミックスを使いこなすために」
摩耗試験は何を評価しているか(標準試験の意味と限界)
■著者
機械技術研究所 基礎技術部 水原 和行

■要約
材料のトライボロジカルな特性は,評価条件に強く依存するので評価により求められた値は弾性率などの特性値と異なり,材料特有の値では無い.しかしながら材料を実際に使用するに当たって,何らかの目安が必要である.本稿では,摩耗試験の現状を紹介すると共に,セラミックス等の新材料の評価方法を開発するべく行われている国際的プロジェクト,VAMAS,における摩耗評価に関する活動とそこで行われた研究を紹介し,制定された評価方法の適用性について述べる.さらに,摩耗評価が実際に何を行っているのかについてふれ,評価に際しての注意点などについて解説する.


「セラミックスを使いこなすために」
セラミックスの潤滑はどうするか
■著者
出光興産(株) 営業研究所 畑 一志

■要約
セラミックスをその構造部材としての優れた特性をもつことから,主として過酷条件あるいは極限条件下で使用される潤滑部分への適用の試みがなされており,現在,十分実用化可能なレベルにある.今後,汎用潤滑部品として広く用いられるためには,特殊なケースを除いて,その機械,装置に用いられている潤滑油がセラミックス潤滑部分にもそのまま適用されるので,セラミックには従来潤滑油との適合性が要求されてくる.本稿では,このような観点から,機械の潤滑部分の潤滑状態とそこで使用される潤滑油の種類,組成,特徴を概説し,セラミックス潤滑での潤滑油添加剤の効果,潤滑油の応用等について述べる.


「活躍するセラミックス」
セラミック転がり軸受の開発状況
■著者
日本精工(株) 精密・産機技術部 松永 茂樹、基盤技術研究所 伊藤 裕之

■要約
近年,科学,技術の急速な発展に伴って,機械装置およびそれらに使用される軸受の使用条件はますます過酷になっている.セラミックスは,その優れた特性を生かし,従来の鋼製軸受では対応できない環境や条件でのセラミック転がり軸受(セラミック軸受)の使用を可能する.90年代後半になって,セラミック軸受の技術革新や量産化効果によるセラミック軸受のコストダウンによって,その使用量は急増している.ここではセラミック軸受の特徴および各種環境下での性能について最近の研究開発状況を紹介する.


「活躍するセラミックス」
高温軸受と固体潤滑
■著者
機械技術研究所 基礎技術部 梅田 一徳

■要約
近年になって,各種機器における高温化の要求の高まりの中で,セラミック軸受に対する期待が増大している.高温用セラミック軸受に必要な固体潤滑剤も従来の固体潤滑剤では対応しきれない温度領域をカバーする必要が生じており,新しい固体潤滑剤ならびに自己潤滑性複合材料の研究開発が求められている.この自己潤滑性複合材料は滑り軸受は勿論,転がり軸受の保持器等に用いて転動体や軌道輪を潤滑する役目を果たす.本稿では,それらの実用化や研究開発状況を中心に述べる.


「活躍するセラミックス」
シール材料としてのセラミックス
■著者
イーグル工業(株) 技術本部 研究部 岡田 健

■要約
大まかに言うと各種機器においてその内部と外部との環境の遮断機能を有する要素がシールであり,その働きは,内部からの各種処理液の漏れ防止であったり,外部からのいわゆる異物混入防止である.とくに回転機械におけるシール(密封装置)は種々使用されているが,なかでも過酷な環境で使用され,高性能を求められているのがメカニカルシールである.厳しい使用条件を満足させるため,種々の材料の変遷があったが,最近ではセラミック材料の適用が定着されその需要も増加している.本稿では,メカニカルシール用しゅう動材料として用いられるセラミックスの特性と応用について,その一端を紹介する.


「活躍するセラミックス」
セラミック工具
■著者
東芝ダンガロイ(株) 技術本部 材料開発部 小林 正樹

■要約
切削工具を使用した機械加工の現場ニーズとして,セラミック工具への期待は大きい.本稿では,現状で使用されているセラミック工具について,他の工具材料と比較した特長,セラミック材質の種類と特性,具体的用途,製造方法・工程,使用上の留意点などを取り上げた.特に,難削材加工用として注目されている窒化ケイ素,炭化ケイ素ウィスカー強化アルミナ,微粒炭化チタン分散アルミナなどでは,工具損傷と材料特性との関係から概説する.


連載
入門:ジルコニアの道(未知)-Part 4-
■著者
ZrO2ファンクラブ

■要約
本連載は,著者がこれまでの研究にもとづいてまとめた,ジルコニアの基礎を連載で解説したものである.対象を専門の技術者より,むしろ営業関係や新人技術者,技術系でもセラミックス外の技術者とし,可能な限り学術文献から逸脱することを留意しまとめてる.連載第四回目は,圧電体PZTセラミックスである.多くの家には,いろいろな電化製品があるが,それらほとんどに多くの圧電体PZTセラミックスが部品として使われている.今回は,このように日常生活の中で多くの機器に使用されている圧電体PZTについて解説する.


連載特集
セラミックス開発の新兵器:TG-MS [12]三次元熱分析法(XRD-DSC)による固体反応プロセスへの応用-金属有機酸塩の脱水挙動 :その1-
■著者
理学電機(株) 熱分析事業部 有井 忠、 X線研究所 岸 証

■要約
ゾルーゲル法や塗布熱分解法に代表されるようにセラミックスの低温合成はますます多用されて来ている.結晶性の良いものを収率よく,しかも高率的に得るには,その反応挙動を解明し最適合成条件を見い出すことが不可欠となる.筆者らは,近年までにXRD,DSCとも最も基本的な構成の組み合わせの実現を目指し,また,大気中や不活性雰囲気中だけでなく,低湿度から高湿度までの様々な湿度雰囲気に対応できる普及型の固体反応解析装置としのXRD-DSC装置を開発した.
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