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PDF/月刊誌論文/code:pg_0307_07 マテリアル インテグレーション 2003年7月号
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> 2003
PDF/月刊誌論文/code:pg_0307_07 マテリアル インテグレーション 2003年7月号
INTER MATERIAL 希土類4f電子機能材料の開発動向
希土類イオン付活永続性ホールバーニング材料の開発
■著者
名古屋工業大学材料工学科 野上 正行
■要約
PSHB は非常に興味深い現象であるが,今までその発現は極低温に限られ,材料開発の面で検討されずにきた.しかし最近,Sm2+ やEu3+ イオンをドープした結晶3)やガラスで,室温でもPSHB を観測できると報告されるようになってきた.ガラスをマトリックスにすると,不均一幅が広くなり,その分ホール数を多くすることができる.さらに,その優れた透明性や生産性を考えると,実用材料としての可能性が高い.筆者らは,ゾルゲル法によるPSHB ガラスの作製についての検討を続けている.ゾルゲル法は,溶融法にくらべ,より低い温度でガラスを作れる特徴がある.その分,PSHB メカニズムの解明や材料開発での切り口が多くなり,興味深いテーマとなっている.Sm2+ とEu3+ イオンは,どちらも4f6 状態に電子を有し,そのホールバーニングは7F0-5D0 準位間の光学遷移で観察される.これらのイオンは通常のガラス内では3 価が安定であり,Sm2+ イオンにするためには水素雰囲気下で溶融して還元する必要がある.PSHB は全てのガラスで観察されているわけではない.それでも最近,OH 基を多量に含んだガラス,特殊な組成のガラス,還元性雰囲気下で溶融したナトリウムアルミノケイ酸塩ガラス,x 線やレーザ光を照射したガラス17)-24)などでPSHB が報告されるようになってきた.ここでは,ゾルゲル法によって作製した同一マトリックス組成ガラスについてPSHB を測定し,様々な条件下で発現するPSHB 現象についての研究結果を中心に,最近の動向を述べる.