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PDF/月刊誌論文/code:pg_0403_03 マテリアル インテグレーション 2004年3月号

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PDF/月刊誌論文/code:pg_0403_03 マテリアル インテグレーション 2004年3月号
ELECTRONIC CERAMICS 希土類蛍光体

水銀フリーランプ用の新しい蛍光体の開発
■著者
新潟大学大学院 自然科学研究科 戸田 健司

■要約
たいまつのような燃焼を基本とする熱い光は,不安定でかつ危険な灯りであった.現代の蛍光灯に代表される冷たい光は,われわれの周りを照らし,生活を助ける働きを果たしている.しかし,この現代の灯りの代表である蛍光灯にも滅びの影が差してきている.欧州において採択されたWEEE 指令・RoHs指令により,電気・電子機器製造者は,ヨーロッパ市場に投入する製品の廃棄物処理費用を負担することおよび鉛,水銀,カドミウム,六価クロムのような有害物質の使用を制限されることが決まっている.すなわち2006年7月以降に有害物質を含む電子・電気機器を欧州市場に出すことは原則的にできなくなる.蛍光灯に含まれる水銀は,代替物質のない現状から現時点では全廃の対象にはなっていないが,技術的な目途がつけば即時全廃の対象となる可能性が高い.すなわち規制の対象になった時点で,われわれの身近にある現在の蛍光灯は姿を消すことになる.照明以外の分野でも,液晶ディスプレイのバックライトは冷陰極管と呼ばれる家庭用の蛍光灯と類似の発光原理を利用したランプである.そのため,規制後は水銀フリーのバックライト光源が必要である.また,光触媒の光源に利用されている紫外光源のブラックライトも水銀を利用した蛍光ランプであり,代替が必要になる.このような状況を勘案して,面発光の照明としての水銀フリーランプの重要性が高まっている.また,自動車に使用されている液晶表示装置のバックライトについては,各メーカーが2005 年までの対応を要求している.つまり,次世代照明の問題は将来的な課題ではなく,現在起きている問題である.それでは,蛍光灯を代替する照明とは何になるだろうか?白色LEDや有機ELは,その候補である.ただし両方の技術ともいくつかの問題点を抱えている.現在の白色LEDは,青色LEDの青い発光と黄色蛍光体の黄色の蛍光からなる擬似的な白色光である.この色は,自然な白色ではなく屋内照明や液晶用のバックライトには適していない.そのため,次世代の紫外LEDからの長波長紫外線により,RGBの光の三原色で発光する蛍光体の開発が重要になっている.また,LEDの光は指向性が高く,広い範囲を照らす照明には適していない.しかし,簡単な構造と安定性から,屋外のスポット照明としての利用には適している.一方で有機ELは,面状の発光体であり屋内照明には適しているが,寿命の問題はまだ解決できていない.すなわち,2006年までに対応する点を考えると,現在の延長線上にある可能性の高い技術に基づく照明システムが必要になると思われる.それが希ガス放電を用いる水銀フリーランプである.希ガスであるXeの放電を用いた蛍光ランプは,すでにスキャナやコピー機に利用されており,放電を制御する技術の蓄積があることから,最も妥当な選択であると言える.
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