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PDF/月刊誌論文/code:pg_0405_02 マテリアル インテグレーション 2004年5月号

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PDF/月刊誌論文/code:pg_0405_02 マテリアル インテグレーション 2004年5月号
INTER MATERIAL 異方性工学のすすめ(2)プロセスと異方性

高温・高重力場での傾斜材料の創製
■著者
(独)産業技術総合研究所 セラミックス研究部門 杵鞭 義明 ほか

■要約
我々は,およそ9.8m/s2 という重力加速度(g) を一方向に受けながら生活を営んでいる.これにより生ずる力は体積力であり,建築構造物などの大きなスケールを対象とする場合には無視できない力となる.事実,樹木の構造など自然界にみられる構造は,異方的な構造となっており,これに機能的に対応している.一方,材料研究者が構造制御といった小さなスケールを対象とする場合には,重力はクーロン力(こちらも体積力であるが力の強さの桁が違う)や表面張力などに比較すると非常に小さな力であるので,一般には考慮していない.興味深い研究に,微少重力下での結晶成長実験1)がある.この研究の目的は,結晶成長プロセス中に発生している対流を抑制し,安定した環境での結晶成長を行うことにある.また関連した研究に,10g 程度の環境下での結晶成長実験も行われている.これらの研究における重力は,マテリアルプロセッシング中の物質移動(上記の研究の場合は液相や気相中の物質移動)を制御するための,一つのパラメータとして利用されている.さらに大きな重力下での研究に,真下らの100万gにおける溶融合金の凝固実験がある.このような大きな重力下では,原子量の差に起因して沈降に違いが現れる.これは熱的な物質移動以上に大きな役割を果たし,結果,合金組成の傾斜,結晶構造の傾斜,結晶成長方向の異方性などとして材料構造に現れる.真下が指摘しているように,このような高重力下での材料科学は非常に興味深いものの,基本的には装置の開発が困難であることから,空白地帯となっている.真下らの装置は,1×106g を発生可能であるが,到達温度は数百℃と一般的な金属や無機材料のプロセスには低く,Bi.Sb合金,Bi.Pb 合金といった低融点合金以外の報告はその後されていない.我々は,高温での高重力場の発生を可能とすべく,独自に装置開発を推進,最近8×104g を1200.C で発生させることに成功している.本稿では,最新装置を紹介するとともに,傾斜材料(傾斜気孔構造,結晶粒径傾斜構造)への応用を紹介する.
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