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PDF/月刊誌論文/code:pg_0408_04 マテリアル インテグレーション 2004年8月号

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PDF/月刊誌論文/code:pg_0408_04 マテリアル インテグレーション 2004年8月号
INTER MATERIAL ヘリカル/らせん構造物質・材料とその応用(2)

CMCの水素吸蔵特性
■著者
長崎大学 教育学部 古谷 吉男

■要約
環境負荷の小さい水素エネルギーを利用しようとする立場から,より効果的な水素吸蔵媒体の開発が急がれている.現在,その開発は,Ti, La, Mgなどの水素化物を形成し易い発熱型金属とそうで無いNi, Feなどの吸熱型金属との組合せによる合金系材料や,フラーレン類やナノファイバー,ナノチューブ類に見られるような多様な微細構造を持ち,軽量で安価な炭素系材料などを中心に進められている.炭素系材料については,1998年にカーボンナノファイバーの一種が室温で67.55wt%もの水素吸蔵能を示したとの報告がなされ注目を集めたが,現在のところ,上述のような高い水素吸蔵能を再現する結果は得られておらず,室温で0.1wt%以下,あるいは,測定時のバックグラウンド以下であるとの報告もなされている.室温以上での水素吸蔵能の発現には,水素分子の物理吸着に主眼をおいた深い物理吸着ポテンシャルを有するような微視的原子配列構造の形成を実現するか,あるいは,水素原子と弱い化学吸着を示すような準安定構造(電子状態)の形成を実現するか,さらには,化学結合そのものを生じさせる必要が有るとされている.圧縮貯蔵容器の代替としての水素吸蔵媒体として捉えた場合,物理吸着主体の吸蔵能の発現が最も望ましいが,炭素系材料において,その微視的形態の多様性からの期待にも拘らず,室温あるいはそれ以上の温度での実用を視野に入れた物理吸着主体の水素吸蔵能の発現は,理論的予測を含めて,実験的にも困難視されている現状である.しかし,一方で,折茂らおよび福永らは,グラファイトを水素雰囲気下で機械的に粉砕処理(メカニカルミリング)することにより積極的に欠陥構造を導入し,ナノ構造化したグラファイト中の水素の存在状態を調べ,弱い化学吸着を示す準安定構造の存在を示唆しており,炭素系材料における水素吸蔵能の発現への新たな可能性を示している.さて,アセチレンの熱分解により生成させられる炭素の微視的生成形態の一つにコイル状の形態があり,コイル径によりカーボンマイクロコイル (CMC) とカーボンナノコイル (CNC) とに区別されているが,このカーボンコイルの一つであるCMCの水素吸蔵特性について調べたところ,他の炭素系素材よりも極めて優れた幾つかの特徴的な水素吸蔵特性が得られたので以下に紹介する.
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