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PDF/月刊誌論文/code:pg_0502_06 マテリアル インテグレーション 2005年2月号

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PDF/月刊誌論文/code:pg_0502_06 マテリアル インテグレーション 2005年2月号
INTER MATERIAL 異方性工学のすすめ(3)プロセスと異方性

液晶の光学的異方性によるチューナブルフォトニック結晶とレーザー
■著者
大阪大学大学院 工学研究科 電子工学専攻 教授 吉野 勝美 ほか

■要約
液晶とは,文字通り液体と結晶の性質を併せ持つ物質を云う.すなわち,液体の流動性と結晶の異方性を同時に兼ね備えている.特に,誘電率,帯磁率,屈折率,導電率,弾性定数,粘度など様々な性質における異方性は,他の物質に比べて大きい.例えば,屈折率の異方性は,棒状分子が並んでいる長軸方向と短軸方向とでは,通常,0.1から0.2,大きなものでは,0.6に及ぶものもある.また,誘電率の異方性も常誘電体でありながら比誘電率の差にして30を超えるものも少なくない.このような性質によって,液晶は,伝搬する光の性質を大きく低電圧で制御することが可能となり,今日の液晶ディスプレイの基礎となっている.もちろん,この光学的,誘電的異方性は,ディスプレイのみならず様々な光学材料,デバイスに応用可能である.一方,光の波長程度の周期で三次元的に屈折率の変化する物質では,光の存在が許されないいわゆるフォトニックバンドギャップ (PBG) が存在する可能性があり,このような物質をフォトニック結晶と呼ぶ.また,必ずしも三次元的な周期構造ではなくても一次元的に屈折率が周期的に変化するような媒質でも,完全なPBGは発現しないものの,バンド端での群速度異常に基づくレーザー発振など面白い現象が観測される.このような屈折率の周期構造は,微細加工によって作られることが多いが,光学的異方性を有する液晶の配列を周期的に変えてやることによって実現でき,事実,コレステリック液晶は,液晶分子が光の波長程度のピッチで捻れた螺旋構造を形成しており,この螺旋構造内に光が入射すると,その螺旋周期に対応した波長の光が反射される.これはストップバンドとも呼ばれているが,一次元フォトニックバンド構造におけるPBGによる効果と考えることができる.また,既存のフォトニック結晶と液晶とを組み合わせることにより,フォトニック結晶の性質を動的に制御することも可能となる.いずれも,液晶のもつ異方性に由来する新しいフォトニック結晶であると言える.ここでは,周期構造と液晶とを複合させた系並びにカイラル液晶の自己組織的な螺旋周期構造を取り上げて,周期構造に基づくレーザー発振や,ストップバンドおよびレーザー発振波長の電場による制御などについて述べる.
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