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マテリアル インテグレーション 1999年10月号

マテリアル インテグレーション 1999年10月号

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特集 傾斜機能材料

傾斜機能材料と宇宙往還機
■著者
空宇宙技術研究所 角田宇宙推進技術研究センターロケット高空性能研究室 新野 正之、森谷 信一

■要約
宇宙往還機は,次の三つの世代に分けられる.第一世代が米国で現在運用されているスペースシャトル,第二世代が21世紀初頭の実現を目指して開発が動き出したRLV(Reusable Launch Vehicle,再使用型宇宙輸送機),あるいはロケットプレーンと呼ばれているもの,第三世代が航空機並のフライトを目指す将来のスペースプレーンである.スペースプレーンの実現時期が30年後とすると,RLVの実用化はあと10年から15年後と間近に迫っており,高耐久性が要求されるRLV実現のための材料開発が緊急課題となっている.ここでは,このRLVに焦点を当てて解説する.


傾斜機能超硬工具
■著者
住友電気工業(株) 粉末合金事業部 野村 俊雄、池ヶ谷 明彦

■要約
近年,従来材料の性能向上の限界を打ち破る新材料として傾斜機能材料が注目を浴びている.傾斜機能材料とは二つの異なる材料の組成を段階的に変化させて傾斜組成とし,両材料が持つ特性に加え,さらにプラスαの機能を引き出すことを狙いとする新材料である.住友電工では,これまで傾斜機能を工具材料に適用する検討を進めてきており,既に一部の超硬工具で実用化している.ここでは,傾斜機能を適用した工具材料の開発事例について紹介する.


放電プラズマシステムと傾斜機能材料
■著者
東北大学 金属材料研究所 大森 守、平井 敏雄

■要約
放電プラズマシステム(SPS)は,最近,電場が結晶成長促進,塑性変形と超塑性発現の助長,ならびに欠陥の回復に効果があるとの報告もあり,放電や電場中での材料合成は未来の技術として注目されている.またSPSは,傾斜機能材料(FGM)に関しても,従来の方法で作製されたものに比べ,格段に性能の優れたものの作製が可能であると期待されている.ここでは,SPSを使って焼結した積層焼結傾斜機能材料について述べる.


傾斜機能を備えた高周波伝送用の電子基板
■著者
京都工芸繊維大学 西田 俊彦

■要約
近年の航空・宇宙分野,通信・情報分野におけるめざましい発達は,そこで使用される電子部品デバイスの小型・軽量化によって支えられている側面が大きい.特に静止衛星を経由して行われる携帯電話や移動通信の分野においては,電送信号の高周波化が進行し,それらを制御する高周波伝送用電子基板素材としての誘電体の重要性が増大している.ここでは,比誘電率傾斜型の高周波絶縁基板にまとを絞って,その上にプリントする配線幅を基板中央部では細く,基板周辺部では拡大する技術について,設計,製造,評価に関係した最近の話題を紹介する.


屈折率傾斜型多層膜光フィルタ
■著者
アルプス電気(株) 第一機構事業部 角田工場 OCDグループ 染野 義博、東北大学 金属材料研究所 平井 敏雄

■要約
公衆回線やLAN等の情報通信網は,従来の銅線から光ファイバへの置き換えが進んでいる.一方,伝送情報は従来の音声や文書情報に加えて画像情報を扱う場面が増え,飛躍的な情報伝送容量の増大が求められている.この要求に答えるため,波長多重通信技術の研究開発が進められている.多重波長は,光ファイバの低損失帯域に集中する必要性から,比較的狭い波長範囲に限定される.このため,接近した隣接波長を明確に分波できる高性能な光分波フィルタが要求される.ここでは傾斜機能材料の概念を用いた,SiO2-TiO2系積層構造を有する高性能屈折率傾斜型光多層膜フィルタについて紹介する.


屈折率傾斜ポリマー光ファイバ
■著者
慶応義塾大学 理工学部 物理情報工学科 小池 康博、石榑 崇明

■要約
ポリマー光ファイバ(POF)は,ファイバを構成する母材がポリマーからなるために材料コストが低く,石英系ファイバに比べて大口径化(200-1000μm)が可能であり,さらに,そのような大口径ファイバであっても,ポリマー材料が有するフレキシビリティーのために,曲げに強く非常に優れた特性を有している.高速通信のためのGI型POFは慶応大学から初めて提案され,GI型POFが,従来のSI型POFに比べて,通信速度を2桁以上,向上することが可能とすることが理論的,実験的に明らかになった.ここでは低損失・広帯域GI型POFの特性と,GI型POFを用いた,高速通信用途への展開について述べる.


傾斜構造熱電変換材料
■著者
科学技術庁 金属材料技術研究所 機能特性研究部 西田 勲夫

■要約
熱電変換の応用は民生用器具から宇宙開発までの広範な分野に及び,現在,熱電発電は宇宙や海底用独立電源として,また熱電冷却・加熱は半導体製造工程の機器や光通信用レーザーの精密恒温制御などになくてはならない存在になっている.ここでは,熱電材料の性能評価と高効率化の概要および飛躍的な高性能化が期待できる傾斜機能材料(Functionally Graded Material,以下FGMと称する)の適用性と可能性について述べる.


ミクロ傾斜構造をもつ熱電子発電器エミッタ
■著者
東京タングステン(株) 研究開発部 加藤 昌宏、元東京タングステン(株) 五十嵐 廉

■要約
宇宙・海洋開発の電源として注目されてきた熱電子発電器は,熱を電力に直接変換する発電器で小型でも大きな出力が得られる特長がある.しかし,2000Kに及ぶ高温熱源に近接して動作する高温型の発電器であり,構成材料への熱負荷が大きく,高性能で劣化しにくい電極材料の開発のほか,極端に狭い電極間隔を高温で安定に維持できる精密構造の設計製作などの課題がある.著者らは,熱電子発電器の高性能電極の開発において,耐熱性の高い高融点金属の基材上に熱電子放出特性が優れたレニウム(Re)またはイリジウム(Ir)を被覆し,異種金属界面近傍の厚さ数十μmの領域の組成を傾斜化した「ミクロ傾斜構造」をもつ電子放出電極(エミッタ)を作製し発電特性と,ミクロ傾斜構造における熱応力緩和を調べた.


傾斜機能材料の最近の研究動向
■著者
東北大学 金属材料研究所 平井 敏雄、陳 立東

■要約
傾斜機能材料の概念は,宇宙往還機用の超高温熱遮蔽材料の開発を目的として,1985年に日本において世界に先駆けて提案された.それ以来,世界的に注目を集め,最近ではドイツや米国をはじめ諸外国においても活発な研究が行われるようになった.現在,傾斜機能材料は,機械的機能を主とした構造材料以外に,エネルギー関連材料,エレクトロニクス材料,光通信材料,生体材料など幅広い分野へも展開されるようになった. ここでは,これらの研究プロジェクトの研究成果を紹介するとともに,最近の傾斜機能材料の研究動向および今後の展開について解説する.


連載特集
セラミックス開発の新兵器:TG-MS [5]TG(CRTG)-MSの電子用セラミックスへの応用-低温合成反応条件の探索-
■著者
理学電機(株)熱分析事業部 有井 忠、X線回折事業部 岸 証

■要約
酸化物高温超伝導体,強誘電体,フェリ磁性体など高機能金属酸化物や複合酸化物の合成に対し,塗布熱分解法,ゾルゲル法,噴霧法などを始めとする各種低温合成法の研究開発が活発に行われている.ここでは,高温酸化物超伝導体や強誘電体の構成金属として重要なバリウム有機酸化合物の熱分解により炭酸バリウムを生成する反応を通して,TG並びに速度制御TG-MSを用いることによって効率的に導出された最適熱分解条件について解説する.
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