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PDF/月刊誌論文/code:pg_0406_07 マテリアル インテグレーション 2004年6月号

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PDF/月刊誌論文/code:pg_0406_07 マテリアル インテグレーション 2004年6月号
ELECTRONIC CERAMICS 先端カーボン

カーボンナノホーンの燃料電池への応用
■著者
NEC 基礎・環境研究所 久保 佳実

■要約
本稿では,カーボンナノチューブの一種であるカーボンナノホーンを取り上げ,燃料電池における電極材料への応用について述べる.われわれが注目している燃料電池は,携帯機器用の超小型燃料電池である.モバイル燃料電池が注目される最大の理由は,エネルギー密度の高さにある.モバイル燃料電池のエネルギー密度は,現在主流のリチウムイオン電池の10倍に達する可能性があり,携帯機器の駆動時間を数倍から10倍に引き上げる.これから始まる「モバイル社会」においては「電池問題」が深刻な課題になる.例えば,地上デジタル放送が携帯向け放送を開始すれば,TV付携帯電話の使用時間は一気に延びるであろう.しかし,現在のリチウムイオン電池では,1時間程度の視聴によって電池が切れてしまうのである.この問題を一気に解決する切り札が,燃料電池である.燃料電池の高いエネルギー密度(長時間駆動)と,充電不要(燃料の交換あるいは補充によって使い続けることができる)という特徴が,モバイル社会のニーズに合致する(メタノールの交換や補充であれば,乾電池の買い替えに比べて百分の一のコストで済む).このような強いニーズに裏付けられた「利便性」が,モバイル燃料電池の最大の特長である.これは,従来の燃料電池がエコロジーや省エネ・省資源といった理念先行型であったのとは対照的である.このような理念の実現が人類にとって重要であることはいうまでもないが,それが世の中に受け入れられるためには合理的な経済性が必要であり,この点において,自動車用燃料電池と家庭用燃料電池は非常に大きなハードルを抱えている.それに対して,モバイル用燃料電池の場合には,その大いなる利便性のゆえに高いコストが許容される.そもそも電池というのはエネルギーコストがきわめて高い.一般家庭の電気代はキロワット時当たり20円程度であるが,乾電池の値段は1ワット時のエネルギーしかないにもかかわらず100円以上にもなる.それだけの対価を払ってでも,人々は「モバイル電源」という利便性を求めるのである.モバイル燃料電池は,まさにモバイル社会に不可欠なキーデバイスである.
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