第30回日本助産学会学術集会
General Incorporated Association Japan Academy of Midwifery in KYOTO 2016

30th Japan Academy of Midwifely 2016 KYOTO

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会長挨拶

この度,第30回日本助産学会学術集会を,2016年3月19日(土)・20日(日)に京都の地で開催することになりました。メインテーマは30周年記念 “助産学の今,そして未来へ”-最善・最新の助産学構築に向けて-です。

1987年3月15日に第1回学術集会が開催されてから,はや30年が経過するに至りました。この間わが国では,1989年の合計特殊出生率1.57ショックにはじまり,2005年には1.26まで下降し,急速に少子化が進行しました。最近では1.4台に回復してきましたが,出産全体の1/4以上が35歳以上の女性,27人に1人は体外受精児(2012年),児童虐待相談件数の激増など,出産・育児の状況は刻一刻と変化し,複雑かつ厳しさを増しています。このような中にあって,少子化対策や子育て支援対策の最前線で働く助産師の役割は,極めて重要となっております。

1874年(明治7)の医制発布以降,我が国の産婆教育は東京,大阪,京都の三府を中心に開始されました。京都府では1875年に京都産婆会が組織され,毎月1回市内小学校において産婆学の講習を開設し,これが我が国の産婆講習の始まりとされています。また,これより前の1873年2月には京都で初めての解剖が行われ,同年12月には産婆を業とする者に解剖の見学を許可したことも報告されています。このように助産師教育において最も古い歴史をもつ京都で,30周年記念の学会を開催させて頂くことは望外の喜びです。本学術集会では今までの助産学に関する教育・実践・研究の集大成を行い,最善・最新の助産学構築のために,今後どのようなビジョンをもち,どのような方向性に進めばよいのかを広く英知を結集して,議論したいと考えています。特別講演,招請講演,教育講演,市民公開講座,シンポジウム,ワークショップ,交流集会など,多彩な企画を準備しています。さらに,30周年記念式典・祝賀会としてできるだけ多くの皆様に参加していただけるような楽しい試みも企画中です。

参加者の皆様には,京都大学の雰囲気も感じて頂ければと思い,会場は京都大学百周年記念館と致しました。開催時期は,早咲きのしだれ桜(京都府の花)の開花が見られる頃です。皆様にはお誘い合わせの上,観光都市世界ランキング1位の京都においで頂き,世界無形遺産に登録された和食も堪能して頂きたいと思います。多くの助産師・助産師学生の方々のご参加を企画委員・実行委員一同,心より楽しみにしております。

第30回日本助産学会学術集会会長

我部山 キヨ子
(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻教授)