• ホーム
  • 大学・研究機関イベント情報

大学・研究機関イベント情報

シンポジウム『Teaching Anthropologyの挑戦:調査と教育と社会の結節点を探る』

大学における文化人類学教育のあり方を探ることは、文化人類学に携わる私たちひとりひとりにとっての大きな関心事であるだけでなく、この分野の将来のあり方を左右する重要な営みでもある。また、「教える」ことを通じて、文化人類学そのものを捉え直し、学生たちの価値観について理解を深め、かつ、社会とのつながり方を確かめる側面もあるだろう。「教える」こととは、すぐれて自他の理解を誘う試みでもある。
スマートフォンが普及し、瞬時にウェブ上の有用な情報が無限に手に入るこの時代にあって、学生たちとともにいかなる文化人類学教育を実践していくか。その目指すところと具体的な方策はいかなるものであり、何が見えてきて、それらが学生と教員、社会をいかにつなぐ営みとなりうるか。
各大学における具体的な実践事例を通じて、その理念と方法、その効果を検討しつつ、あわせて社会との結節点を探るためのシンポジウムを開催する。
【日時】

2016年7月16日(土) 14:00開演(13:30開場)、17:30終了予定

【会場】

京都大学・人文科学研究所4階大会議室地図詳細:構内キャンパス38番

(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/downlodemap/documents/2015/main_j.pdf)

【プログラム】

趣旨説明 亀井伸孝(愛知県立大学/准教授)
研究発表 亀井伸孝
南出和余(桃山学院大学/准教授)
飯嶋秀治(九州大学/准教授)
シディクル・ラフマン(バングラデシュ・ジャハンギルノゴル大学/准教授)
コメント 橋本和也(京都文教大学/教授)
大西秀之(同志社女子大学/教授)
質疑応答
【発表者・タイトル・要旨】

亀井伸孝

「学生とともに行う「旅の写真展」の実践報告:ウェブ全盛の時代にモノと情報との付き合い方を学ぶ」

愛知県立大学国際関係学科は、2009年に設置された比較的新しい学科である。本学科では、その特色作りの一環として、学生たちが世界各地で撮影してきた写真を活用した「旅の写真展」を毎年開催している。その主たる目的は、知識や情報がもたらされるのを待っている立場に甘んじるのではなく、情報を自らフィールドで収集して社会に対し提示していく表現者の側に移行することを奨励するというものである。すでに6回を数えた開催実績の中で蓄積されたノウハウを提示するとともに、その中から見えてきた課題についても検討する。とくに、スマートフォンで簡単に情報の収集と発信ができるというウェブ、SNS全盛の時代における情報リテラシーのあり方や、表現行為の手軽さが生む責任の希薄化などに焦点を当て、あえてこの時代に、スキルの選択肢として、モノと情報との付き合い方を学ぶための教育のあり方を展望する。
南出和余

「映像制作を介したコミュニケーション:映像人類学教育実践」

デジタルカメラの普及とインターネット上での動画の共有によって、映像は、特定の制作者による情報発信かつ表現手段から、広く一般に開かれたコミュニケーション手段となった。現在の学生たちは、日々誰が作ったのか分からない動画からの情報を得、また自らの幼少期をホームビデオ映像に観ることも少なくない。一方、人類学者もまた、フィールドノート的に記録媒体として映像を用いる者もいれば、論文と同様に映像で研究発表を行う映像人類学実践も普及しつつある。本発表では、この映像人類学実践を教育の場に応用した事例を紹介する。発表者は、2010年から桃山学院大学国際教養学部において映像制作教育を行い、学生たちに約15分間のドキュメンタリー系の映像作品を作らせている。5年間で60本の作品が学生たちによって制作された。対象と直に接して撮影しなければ素材は存在しえないという現実から、映像制作には、デジタル時代にありながらもきわめてアナログ的コミュニケーションを要し、人類学的フィールドワークの要素が不可欠である。そのことからも、学生たちの映像作品からは、大学生たちがどのような関心のなかで生きていて、社会とどう向き合おうとしてるかを垣間見ることができる。
飯嶋秀治

「コンタクトゾーンとしてのエデュケーション:罹災半世紀後での民族誌媒介行為」

人類学の「エデュケーション」を考えるとき、教育人類学(Anthropology of Education)とは別に人類学教授(Teaching of
Anthropology)の歴史があったことを思い出そう。一方で学習が、他方で教授があって、エデュケアー(教・育)は成立する。本発表では主に、九州の諸罹災地を学生たちと共に「文化人類学演習」として巡ろうとしていた際、結果的に同一の村落で文化人類学演習の8年間を過ごすことになった経緯をお話しする。それは今日、當眞千賀子の言う「形成的フィールドワーク」になっていったが、そこではフィールドの村人たち、ホームの学生たち、両者を橋渡しする教員たちの三者が交互に応答することで、民族誌を媒介としたエデュケアーな関係が構築されてきた。こうした経験を振り返り、足元のエデュケーションのなかに織り込まれたコンタクトゾーンを考察し、「エデュケーション」における応答の人類学の幾つかの論点について考察する
シディクル・ラフマン

「バングラデシュの人類学教育事情」
【共催】

日本学術振興会科学研究費助成事業 (科学研究費補助金基盤研究(A))「応答の人類学」
日本文化人類学会課題研究懇談会「応答の人類学」
「大学教育とフィールドワーク」研究会(2015年度公益信託澁澤民族学振興基金民族学振興プロジェクト)

【備考】
*京都人類学研究会は京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生がその研究成果を報告する場です。

*事前の参加予約は必要ありません。どなたでも自由に参加いただけます。

*当日は資料代として200円いただきます。

*講演会後に懇親会を予定しております。

【問い合わせ先】
京都人類学研究会事務局:kyojinken2016[at]gmail.com

([at]を@に変えて送信してください)
京都人類学研究会2016年度運営委員

*  代表:平野(野元) 美佐

*  代表補佐:田中 雅一

* 学生幹事:浅田静香、江端希之、大竹碧、加藤千里、川口博子、貴明玥、久保田和之、師田史子、土谷輪、鶴田星子、

Te  Monyrotha、長井優希乃、西尾善太、濱野ちひろ、福田真郷、堀高まなは、水上優、劉振業

  Filed under:未分類 /  Comments (0)